ドラッグのいきさつ 「縄文大麻の呪術性」

日本では、昔から大麻の繊維から糸や縄、衣服、漁網、馬具、蚊帳、敷物など多様な品々を作ってきた。神道では大麻(おおぬさ)と呼ばれ修祓の具であり、神札であった。大麻は、古くは大麻草を加工して作られた文物であったが、単に素材というだけでなく、宗教性と結びつくような何らかの属性が大麻にあったのではないかという疑問が出てくる。

古代人も大麻に向精神作用があることは気づいていたはずだ。今ならば、大麻といえば最初に意識を変えるドラッグが思い浮かぶだろうから、古代の人々も同じようなハイ体験をしたので大麻を特別な、神聖な存在と見なすようになったと考えるかもしれない。直裁的な説明でそれなりに納得できるが、一方、神道をはじめとして日本の伝統的な宗教の中で大麻をそのように使ったことを示す証拠や文献は見あたらない。縄文、弥生の遺跡から大麻を吸引していたことを示すものは未だ見つかっていない。どうも単純にハイ体験と結びつける発想は皮相的なのかもしれない。

大麻と日本の宗教について自分なりに歴史を調べてきたが、まだ完全に結論を出すには至っていない。それでもおぼろげながら大体、こんなふうなことなんじゃないかという見当はついている。

大麻と宗教、特にその歴史をさかのぼるとき、古代の人々はわれわれとは違った考え方、発想をしていたという面が見逃せない。大麻という植物そのものを特別な、神聖な存在だと見なすその起源は、宗教以前、呪術の時代にさかのぼる。それは縄文時代のことになる。


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